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愛媛県消費者保護条例改正案に意見書を提出
 
(2004/10/6)
   県生協連では県のパブリックコメントを受けて、下記の意見書を提出、その後の審議会での検討で、下線部分の8項目が改正案に取り入れられました。なお、[7]の消費者基本計画の策定については、毎年度の消費生活審議会において、県の長期ビジョンにもとづき消費者行政の到達点や次年度の方針・課題について審議会で検討されることになり、実質的には要望事項が担保されたと思います。さらによりよい条例で且つ実効性を高めていく上では、消費者・組合員自身が条例の内容を理解し、広げていくことが必要です。この改正案は2月県議会に上程される予定となっています。
   
  愛媛県消費者保護条例の一部を改正する条例の概要(案)についての意見
 
2004年10月6日
愛媛県生活協同組合連合会
会長 濱本幸紀
 
1.はじめに
 国においては、消費者被害の急増や企業による不祥事が多発する中で、5月に消費者基本法が成立し消費者の権利が明記され、保護から自立支援へと法の軸足が大きく方向転換されました。ご承知の通り、同法では国、及び地方自治体に、消費者政策を推進する責務を有することが位置付けられました。また、消費者と事業者との情報力の格差や交渉力の格差も明確にした上で、消費者の権利を明記しました。
 愛媛県においても消費者を取り巻く状況は著しく変化し、消費者トラブルはより複雑で多様化し、悪質化しています。電話情報サービス、消費者金融関連の不当請求や悪質な訪問販売など、県消費生活センターに寄せられた03年度の相談件数は前年比で約2倍(9,200件)となり、過去最高になっています。相談に訪れない、問い合わせしない隠れた被害も併せると膨大な消費者被害が推測されます。こうした被害の実態に対して、消費者の不安は大きなものがあります。
 こうした中で、愛媛県においてはいち早く条例の見直しに着手され、特に今回の改正案では、消費者の権利については基本法より一歩進んだ権利の明記や消費者苦情処理要件の緩和など、作成にあたってご尽力いただいたことに敬意を表する次第です。
 今回改正される愛媛県の「消費生活条例」は、地方分権の流れの中で消費者(県民)のくらしに一番身近な決まりごとであり、拠りどころです。私たちは、この「条例」が、増え続ける消費者被害に対して真に実効性のある条例として、また、健康で安全な消費生活を営み、次代に安心して暮らせる生活環境を引き継ぐことは県民の権利であり、県行政としての責務であるという視点で、抜本的に改正されることを望みます。そして可能であれば、県条例検討過程において多少時間をかけてでも、県民の声を幅広く県条例に反映され、消費者参加のもとで条例作成にあたられることを要望します。
 最後に、こうした条例改正をうけて県の長期計画での「さわやかな環境と安心で快適な生活を楽しめる愛媛」に一歩ずつでも近づいていくことを切に願っています。

2.条例の概要(案)についての具体的な意見
[1]
前文を新設し、県民・消費者にわかりやすく条例の制定目的や愛媛県としての消費者行政の考え方や姿勢について明示し、内容の理解促進につなげることが必要です。
(理由)条例の箇条書きだけでは、何を目的とした条例か、県としての消費者行政の考え方や姿勢は読み取れません。消費者基本法の精神や国の消費者政策の考え方も踏まえ、その上で、県の長期ビジョンでの目標・計画「安心で快適な生活が楽しめる愛媛づくり」ともからめて、きちんとした形で、前文を整理し明示する必要があります。
 
[2]
(1)の題名を「愛媛県消費生活条例」に改めることに賛成です。
 
[3]
条例案の第1条の目的について、消費者基本法の目的条項を踏まえた内容に改正すべきです。具体的には、以下を提案致します。(下線部分の挿入)
「第1条 この条例は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力等の格差にかんがみ、消費者の利益の擁護及び増進に関し、消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念を定め、県、市町村及び事業者(事業者の組織する団体を含む。以下同じ。)の果たすべき責務並びに消費者の果たすべき役割を明らかにするとともに、県の実施する施策について必要な事項を定めることにより、県民の消費生活の安定及び向上を確保することを目的とする。」
(理由)消費者基本法の中でも、そもそも消費者と事業者との間には、情報の質及び量並びに交渉力等の格差が歴然として存在することを認識した上で、消費者に対してその対抗手段の一つとして消費者の権利を明記し、対等の関係に高めようとした点が重要で、消費者基本法の最も大事な点が欠落しているため。
[4]
(3)の基本理念の(新設)に賛成です。
 
[5]
(4)の県・市町村、事業者の責務及び消費者の役割について、以下の提案を行います。
県の責務改正案の記述について、以下の条文への変更を提案します。
「県は前項に掲げる消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念にのっとり、消費者政策を策定し、及びこれを推進する責務を有する。」
(理由)消費者基本法にそった内容に記述すること。消費者政策の推進にあたっては、県の消費者政策がなければ、推進できないため。
市町村に対する協力(新設)の記述について、以下の条文への変更を提案します。
タイトルは「市町村の責務」とすべきです。
条文内容は「市町村は県が推進する消費者政策に協力するとともに、当該地域の社会的、経済的状況に応じた消費者政策を策定し、及びこれを推進する責務を有する。県は必要に応じて市町村が推進する消費政策に協力し、これを支援するものとする」
(理由)消費者基本法は市町村を含め、すべての地方公共団体に責務を課している。県の役割が市町村の消費者政策への協力の範囲では弱いため。具体的な推進にあたっては、県・市町村相互の連携と協力が重要であり、提案の内容とした。
事業者の責務(改正)の記述について、以下の条文を提案します。
「事業者は前項に掲げる消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念にかんがみ、消費者に供給する商品及び役務について、次に掲げる責務を有する。」(下線部分の置き換え)上記以外の当該項目については提案どおりで賛成です。
(理由))消費者基本法にそった内容で記述するため。
消費者の役割の記述については、提案のア、イに加えて、ウとして以下の条文の追加を提案します。
(ウ)消費者は、県が行う施策に関する意見の表明・提言に努める。
(理由))消費者の参画をより促進するため。
 
[6]
(5)の事業者団体の責務及び消費者団体の役割(新設)について
事業者団体の責務の記述については提案どおりで賛成です。
消費者団体の役割の記述については提案条文には賛成ですが、消費者基本法第26条の関連で欠けている点について以下の条文の追加を提案します。
「県は県民の消費生活の安定及び向上をはかるため、消費者団体の健全かつ自主的な活動が促進されるよう必要な施策を講ずる。」
(理由))消費者基本法にそった内容で記述が欠けているため。
 
[7]
消費者基本計画(消費者基本法第9条)に関わる以下の条例規定の新設を求めます。
1) 「知事は消費者政策の計画的な推進をはかるため、消費者政策の推進に関する基本的な計画(以下消費者基本計画という)を定めなければならない。」
2) 消費者基本計画は次に掲げる事項について定める。」
一 長期的に講ずべき消費者政策の大綱
二 一の他、消費者政策の計画的な推進をはかるために必要な事項
3) 「知事は、消費者基本計画を定めようとするときは、愛媛県消費生活審議会の意見をきかなければならない。」
4) 「知事は、消費者基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。」
(理由))消費者基本法第9条にそった内容で記述が欠けているため。消費者基本法の中でも重要な位置を占める条項であり、消費者基本計画の作成は継続的、計画的な消費者政策の推進にとって、また、県の長期計画との連動をはかる上でも具体化が欠かせないものだといえます。
 
[8]
(6)の啓発活動及び教育の推進(改正)について、以下の記述の変更を求めます。
「知事は、中略〜啓発に努めなければならない。」を「知事は、中略〜啓発活動を推進する。」に変更。
「県は、中略〜学習機会の提供について努めなければならない。」を「県は、中略〜学習機会の提供について必要な施策を推進する。」に変更。
(理由))消費者基本法にそった内容で記述するため。
 
[9]
(7)(8)の高度情報化社会への対応、環境の保全への配慮については、提案通りで賛成です。
 
[10]
(9)危害の防止のための情報提供(新設)についての記述には、2項として以下の追加を提案します。また、タイトルを「危害防止のための情報提供」から「緊急危害防止措置」に改めること。
「前項による公表があったときは、当該商品又は役務を供給する事業者は、直ちにその製造若しくは販売または役務の提供の中止等必要な措置をとらなければならない。」
(理由))消費者基本法にそった内容であり、緊急の対応をより強化するため。
 
[11]
(10)試験、検査等の実施についての条文記述で文中の「必要に応じて」を削除することを提案します。
(理由))試験、検査等は行政上の基準や消費者の請求によって行われることが慣例であり、個人情報に配慮しつつも基本的に試験、検査等の結果については公表を前提として対応すべきと考えます。
 
[12] (11)不適正な取引行為の規制(新設)については、特に異議ありませんが、具体的な不適正な取引行為の内容については、趣旨文中の[1]〜[8]を類型化し、規則で定めることとなっています。消費者トラブルの最も重要な部分であり、不適正な取引行為に該当するかどうかの最も重要な部分であり、条例の実効性を高める上では、規則をきちんと明示して県民から意見聴取をする必要があると思います。また、不当な金利を要求されるヤミ金業者についても、この規則で対応できるかどうかの検証も必要かと思います。
 
[13] 公正自由な競争の促進等についての条例の新設について、以下の条文を提案します。
「県は消費者の権利の実現を確保する上で、事業者間の公正・自由な競争が重要な意義を有することに鑑み、商品・役務の価格、取引条件その他の事項について公正・自由な競争を不当に制限する行為を規制するために必要な施策を講ずる。」
 
[14] (12)消費者苦情の処理体制(改正)について、改正に該当しない条項の項目はそのまま残ることを前提に、以下の条文の追加を提案します。
「県は消費生活に関する苦情等の処理が専門的知見に基づき適切に行われるため、消費生活相談員等の人材確保及び専門性の向上、並びに商品事故等の原因究明体制の整備、その他必要な施策を講ずる。」
(理由))消費者基本法第19条2項にそった内容で記述するため。
 
[15] (13)、(15)については特に異議ありませんが、(14)知事に対する申出制度(新設)のアの文中で「県民は、この条例の定めに違反する事業者の活動により、又はこの条例の規定に基づく県の措置がとられていないことにより」に変更し、次の「消費者の利益が」を「消費者の権利が」に変更を提案します。
(理由))消費者の権利や利益が害される場合は、条例の定めに違反する事業者の活動による場合とこの条例の規定に基づく県の措置がとられていなかった場合も考えられます。条例の実効性の確保と県行政と県民との信頼性の確保(相互牽制)の点からも上記への変更を望みます。
 
[16] 消費生活センターの役割の条文の新設を提案します。
  「愛媛県消費生活センターは、県の関係部署、国及び近隣の県等の関係機関、国民生活センター、消費者団体等と連携し、県民の消費生活に関する情報の収集及び提供、事業者と消費者との間に生じた苦情の処理の斡旋及び当該苦情に係わる相談、消費者からの苦情等に関する商品についての試験、検査等及びサービスについての調査研究など、消費者に対する啓発及び教育等における機関として積極的な役割を果たすものとする。」
(理由))消費者基本法第25条に準じた内容で記述するため。消費生活センターの役割は消費者にとって大きく、きちんと条例上も位置づけるため。
 
[17] (16)の「愛媛県消費生活審議会」への名称変更については賛成です。併せて、県執行機関の付属機関設置条例の愛媛県消費生活審議会の規定の中に、設置目的や審議会での検討事項を追加することを提案します。
「愛媛県消費生活審議会」
 
「1. 知事の諮問に応じ、県民の消費生活に関する重要な事項について審議するため、愛媛県消費生活審議会を設置する。」
「2. 県は次に掲げる場合には、県消費生活審議会の意見を聴かなければならない。
 
(1) 安全、品質、表示等の基準を設定、変更又は廃止しようとするとき。
(2) 不適正な取引行為を指定、変更又は削除しようとするとき。
(3) 消費者基本計画及び消費者政策の策定又は変更をしようとするとき。
(4) 消費者施策に関する重要事項を決定しようとするとき。
(5) その他、会長が必要と認めるとき。」
「3. 審議会は、県民の消費生活に関する重要な事項に関し、知事に建議することができる。」
「4. 審議会は、審議のために必要な資料の提出及び説明を知事に求めることができる。」
「5. 審議会は、県民の消費生活に関する重要な事項及び消費者政策について審議するため、最低年1回以上は開催しなければならない。」
   
 
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