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県連活動
   
よもやま座談会
 
講師 前田 眞氏(邑都計画研究所)
 
前田 各団体の活動について、もっとくわしく聞きたいことはありませんか?
フロア 「なごみの会」の吉岡さんにお聞きしたいのですが、「歩こう会」の規模や内容について、具体的にどれくらい歩くのか、目的地に着いてどういうことをするのか、教えてください。
吉岡  「歩こう会」になっているのかどうかわからないくらいですが、しゃべりながら、テキトーに歩いているんですよね(笑)。周りから見たら、「あの人ら、何しよんやろか?ゾロゾロと」という感じです(笑)。休んだり、歩いたりで、先頭と後ろとでは100メートルくらい離れてしまいます。ところどころで止まって、先に行った人はじっと待って、そこで話す。9時に集まって、解散するのは12時半くらいです。
 最後に、いろんな話が出て、1時間くらい話します。介護の経験をしたこととか、様々な話題で話し合う。実際に歩くのは、1時間足らずです。それも手を振ってとか難しいことは言わずに、ゾロゾロゾロゾロ歩く。例えば、総合公園で紫陽花がきれいだとなると、1カ月前から、「次は紫陽花を見に行こう」ということを決めて、西衣山まで行って、そこから歩く。この前は、興居島へ行きました。次回は、来週の火曜日ですが、古三津の文化財めぐりをすることになっています。
 もう2年になりますが、1年間の計画なんて、まだ持っていません。いつも最後に「次はどこへ行くぞな」と話し合って決めるというやり方ですが、だんだん広がっていきまして、会員だけじゃなくて、地域の人も一緒に行こうということになって、この前の興居島は、18、9人が来たものですから、島の人がたまげて見てるようなことでした。みなさんが元気で、「次はここへ行こや」と言ってくれるので、そんな感じでやっています。
前田 こういう集まりを、私たちの世界では「不連続的統一体」と呼んでいますが(笑)、個人はバラバラなのだけど、何か一つの目標に向かって動いている。悪く言うと、行きあたりばったり、とも言いますけど(笑)。「歩こう会」の広報は口コミですか?個人が個人を誘い合って、ということですか?
吉岡 「歩こう会」ではないのですが、来週は、日浦の竹山までホタル狩りに行こうということで、希望をとりましたら、30数名にもなってしまって、車をどうしようかと考えているところです。口コミでだんだん広がるんですよ。中には、「ホタル狩りに行くために、医療生協に入ろか」という人まで出てくるほどです(笑)。
前田 やはり、口コミはパワーがありますね。広報とか運営とか、どんなことをすれば利用者に喜ばれるかとか、お聞きになりたいと思いますが、私も質問させください。コープえひめの白石さんのエプロンシアターというのは、どこで覚えられたのですか?
白石 最初、子どもが小さい時に行った「ふれあい教室」でやっていたのを見て、はまってしまって、松山市のコミュニティセンターで養成講座があったので、それを受講しました。それからボランティア活動をずっとやっていて、子どもが学校に入る年に、「くらし助け合いの会」に入ったので、平成11年からですから、もう6年くらいになります。
前田 そういう講座があるのですね。今日のは子ども版でしたが、大人版も開発していただいて、誰かに伝えていただけたらいいなと思います。地域の昔話をみんなで発掘して、みんなでやるといいかもしれないですね。古川さんの手話も、特に勉強されたのですか?
古川 学校のPTAのサークルで、週に1回やっていました。
前田 勉強する場というのは、地域にいろいろあるのですね。サロンを運営する時に、メニューに困っている方がたくさんおられると思いますが、いろんな人に聞いてみると、いろんな知恵がありますね。単にぶらぶら歩くだけでも「歩こう会」になりますしね(笑)。小野のみなさんもいろんなことをやっておられますね。コーヒーのいれ方を勉強されたそうですが、そのあたりのことをお聞かせください。
福地 去年の夏、コーヒーサロンをするからには、やはりおいしいコーヒーを飲んでいただかないといけないと話し合いまして、本格的なコーヒーをいれようということで、コーヒーの専門店へ、各部で数名ずつ行って、最終的には全員が参加しました。
前田 評判はどうですか?
福地 サロンのメニューは全部200円です。アイスクリームが付いたものは250円ですが、非常においしいという評判だと思っています。材料はいいものを使っているつもりです。
フロア 小野の福地さんにおうかがいしたのですが、家賃が10万円ということで、その負担が大変だろうなあと思うのですが、1カ月どれくらいの予算で運営されているのでしょうか?
福地 家賃は1カ月10万円ですが、相当苦労して、小野社協から月5万円出るようにして、平井商店街からも、現在のところ5万円ずつ出していただくようになっています。こちらは、お返ししなくてはいけなくなるかもしれません。松山市からも助成金をいただいたり、今年はバザーなどをしながらやっています。水道代が2カ月で1万円くらい、電気代が月に1万5千円くらい、それからコーヒー等の売り上げが月4万円ということで、ぎりぎりのところでがんばっています。
フロア 商店街の活性化にもなるとうかがったのですが、家賃はタダになりませんか?
福地 これが一番ネックでして、私達も、活性化になるのだったら、当然タダにしてくれるんじゃないか、という話もしていたのですが、前の電器屋さんが、20万円とか25万円で借りていたところらしいんです。それで、家主さんのご好意で、半額以下の10万円になったと聞いております。このことは小野のみなさんが知っていますので、これをどうにかして助けないといけないと四苦八苦しながら、がんばっています。
前田 商店街も打ち出の小槌ではないので、こんなこというと怒られますが、そんなにお客さんの多い商店街ではないので、すごくがんばってくれているのだろうとは思いますね。それが長続きするかどうかという問題は、確かにあると思います。商店街の方も、売り上げに結びつかないといけないということがありますので、その商店街で地区の人たちが買い物をしてくれるといいのかなと思うので、サロンに来られる人たちが帰りにお店に寄って買って帰れるようにしないといけない。お店の方も、そういう人たち向けの商品をチェックしないといけない。一人で食べられる量にしてもらうとか、話し合いながら、お互いが相乗効果を上げるようになれば、お互いが助かるかなと思います。特に商店街の空き店鋪でやる場合は、単に商店街の社会貢献として借りるということではなくて、商店街にもメリットがあると、お互いが支え合うようなことができるといいかなと思います。
フロア グループの中で、年のいった方は頑固だと聞きますが、そういう人のお世話をする上で秘訣はありますか?
吉岡 秘訣でも何でもないですが、こういう集いは、圧倒的に女性が多いですよね。男性は、なかなか出てこない。幸か不幸か私たちのところは、男性が3分の1近くいます。そのことが、お互い同士の融和に大きく貢献しているのでは、と協力者は言っています。女同士だとなかなか……(笑)、いがみ合いがあったり、陰口があったり、人の噂があったりするけど、ここにはそれがない。それは男の人がいるからだと言われるので、そうかなあとは思いますが、男性を中に入れる工夫をしていくことは必要だし、女性は仲間を作るのは早いけど、男性はなかなかうまくいかないので、その工夫は必要だと思います。秘訣でも何でもありません(笑)。
福地 小野の場合は、口コミというか、お友達を互いに誘い合う、これが大切なことだと思っています。そのお友達からお友達にだんだん声がかかりまして、広がっています。男性のことがでましたが、木曜日には、3帖の畳の部屋で、囲碁と将棋をしていただいていますが、この方たちがだんだん増えてきて、いい雰囲気になってきて、今度は、男性を引っ張って、研修旅行に行こうという話になって、男性を中心にした研修旅行を計画しています。その中に、足りない分だけ女性が入って、男性を引っ張り出す工夫をしていますが、その他、呼び込みをしたり、ちょっと覗いてくれた人にも「遊ぼう、遊ぼう」と飛び出て行ったり(笑)、田舎なりの人のあたたかさが残っているところですので、助かっています。
フロア 小野地区全体の動きとは別に、各町内会、各自治会単位の動きはどうですか?
福地 小野には、サロンが他に6つあります。その6つは、全部分館を中心に動いていて、分館長さんが中心になってやっています。今年度の目標として、18分館全部にサロンを立ち上げたいというのが会長の希望で、到底できるはずはないのですが、うれしいことに、私たちのサロンの協力会員が80名余りいて、この協力会員が各分館から出ているので、その協力会員が分館に帰って、サロンをつくり上げていく。それで、今、6つになり、7つめの声も出始めていますので、少しずつ広げていくようにしています。
前田 「くらし助け合いの会」のみなさんは、会員同士の融和とか、気をつけていること、配慮していることなど、知恵があれば教えてください。
小倉 ニュースと口コミだと思います。地域の会の活動は、中予地域はオプション企画として、リフレッシュ託児というのを3年前から始めました。子育てに関してアンケートをとった時に、なかなか子どもを預けて出る機会がないとか、預ける場所がないという声をお聞きして、最初の年は、年に4回、託児の場を設けました。3年経って、最初の頃は、託児に預けるお子さんが少なかったので、やめるという考えもあったのですが、もう少し利用する方に利用しやすいように回数を増やして、がんばってみようということで、今年から毎月行うのと、それに併せて、助け合いの会員ではないのですが、「託児だったらやりたい」という方を募集したところ40名近い方の応募がありました。私の方から一人一人にお電話させていただいて、助け合いの会のことや託児のことについてお話をしたのですが、コープの組合員さんは、若い方が多くて、子育て中の方でも何かしたいとか、自分の育児の経験を何かにつなげたいという思いで応募して下さった方が多かったです。ゆくゆくは、そういう方がお仕事を始められるかもしれないし、また、ボランティア活動に関わってくださるかもしれませんし、そういうことを託児の会員を募集した時に感じました。
 だから、ニュースも2カ月に1回出していて、なかなか目に留まらないこともありますが、見ていただけていると思いますので、これからもニュースや口コミでお知らせしていきたいし、私たち「助け合いの会」の活動が活発にできているのも、生協という組織の中でやっていて、共同購入という週1回の配送のシステムを持っているからだろうと思います。それがないと、地域の中でやっていくのは、なかなか難しいかもしれませんし、私達の課題としては、男性が本当に少ないので、男性会員さんにもっと集まってもらったり、前田先生が言われましたように、地域のふれあいサロンとか、地域との交流をこれから考えていきたいと思っています。
前田 ありがとうございました。活発になってきた頃に、時間になってきました。今の社会のことを考えると、あまり大きなことは言えませんが、今までは物があればよかったとか、有能な人、地域にとって役に立つ人がいればよかったのですが、これからは、物と人が関係することが大事な世の中になってくると思います。これからは、関係することが社会資源になって、それが自分たちを支えてくれる時代に変わってくる。そういう時に、今日ご報告があったようなサロンとか、地域でそういうことを考える関係を作る、拠点作りがすごく重要になってくると思います。みなさんのいろんな活動を、こういうふうに発表し合う場を社協にはお願いしたいし、そういう場所で、ネットワークを実際に一歩足を前に踏み出して、交流をしていただければ、今日、この場で勉強した甲斐があるのではないかなと思います。みなさん、長い時間、ありがとうございました。
   
 
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