この4月から、表記の制度が実施され、4月15日には第1回目の保険料が年金から天引きされ、多くの高齢者の皆さんから数多くの疑問や不安、混乱、悲鳴の声が寄せられています。また、多くの医療関係者の皆さんからも、この制度への疑問や反対の声も数多く出されています。
私たちはこの制度が、高齢者の皆さんに殆ど周知されずにスタートしたこと(制度の中身や将来設計)が最大の混乱の要因と考えており、とりあえず一旦廃止し、国民的な議論の中で再検討すべきだと考えます。
制度そのものについては、(1)これまで保険料負担がなかった扶養家族からの保険料徴収や月額1万5千円以上の年金受給者からの保険料の天引き、(2)保険料滞納者からは保険証を取り上げ、窓口での医療費の全額負担の強制、(3)75歳以上を対象とした別立ての診療報酬を設定し、医療の差別化が進むことや将来の医療費や保険料の負担増につながるなど問題点が数多く指摘されています。多くの高齢者にとってまさに死活問題にもなりかねない問題であり、早急な対策が必要だと考えます。
また、私たちは現行の制度を残したままでの「見直し」には反対です。現行の制度そのものに多少手を加えても、近い将来また同じ問題が再燃することは必至だからです。同時に「消えた年金問題」が未解決な中で、この制度がスタートしたことに私たちは「感情的憤り」を感じざるを得ません。
戦後、国民皆保険(支えあい)制度をすべての国民の協力の下に作ってきました。昨今、財政難を理由にこうした保険制度そのものが、負担の公平性の名のもとに分断化されつつあるという危惧を強くしています。
この度の後期高齢者(長寿)医療制度については、直ちに一旦廃止され、将来の負担のあり方を含め、国民的議論の中で再検討されるようお願いします。
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