(1) 私達をめぐる情勢の特徴
- 日本経済は、景気拡大が戦後最長を記録したといわれていますが、好調なのは大企業が中心で、企業収益は大幅な改善が進んでいる一方で、個人所得や消費は冷え切ったままです。民需主導の本格的な景気回復には至っていません。国や地方の財政危機は、依然として深刻な状況が続いています。企業での賃金抑制策の見直しと、安定雇用の促進が今後の鍵となりそうです。県内経済も製造業を中心に回復基調ですが、個人消費は全国にもまして、依然厳しい状況が続いています。
- 格差社会といわれていますが、地域間格差、所得格差は広がる一方です。家計調査でも実質的な減収傾向が一層強まっています。税金や社会保険料等の非消費支出での負担増が、家計を圧迫し、消費支出の切りつめを余儀なくされています。今後、医療・年金・福祉等の社会保障費の抑制と消費税率の引き上げによる国民負担増の動きは、ますます強まることが予想され、将来のくらしへの先行き不安は一層強まることが予想されます。
- 流通業界での競争は、売上げ不振や損益構造の悪化のなかで一層厳しさを増し、本格的な淘汰の時代にはいっています。県内ではスーパー業界をはじめコンビニ業界による出店攻勢が引き続き強まり、生協陣営にとって競争の激化は一層強まっています。
- こうした厳しい状況の中、全国の生協では、好不調の2極化をともないつつも、全体としては2%程度の伸長が見込まれ、損益構造の改善が進んでいます。引き続き組合員を中心にすえた利用・運営の強化を進め、事業・経営構造の改革に本格的にとりくむ事が求められています。
- 診療報酬の改定や介護保険制度の見直しなど医療や介護事業をめぐる情勢が年々厳しさを増し、医療生協の経営にとっても大きな影響を及ぼす内容となっています。誰もが安心して受けられる医療や介護の確立をめざしたとりくみとともに、利用者の立場にたった生協らしい医療や介護事業、たすけあい活動の強化が必要です。
- 米国からの牛肉の輸入条件の緩和の圧力や鳥インフルエンザ問題など、国の内外で食の安全をめぐる問題が引き続き重要性を増しています。また、国会ではこの間とりくみを進めてきた「生協法改正」が実現しました。21世紀を平和の世紀にするためにも平和憲法を学び、良さを広げていくことが必要です。組合員の中で税と社会保障の負担のあり方や食の安全、消費者政策、平和、環境、食育に関する学習やとりくみを引き続き強めましよう。
- 県内生協が一致団結してより大きな力で、組合員や消費者、県民のくらしや健康を守るとりくみを強めていきましょう。
(2)会員生協が共通してめざすべき2007年度の活動視点
- 組合員のくらしと健康を守るとりくみや学習を強めましょう。
- 環境にやさしいくらしと事業を推進しましょう。
- 福祉の活動や事業、子育て支援の活動へのとりくみを強めましょう。
- 食の安全行政の充実・強化にむけたとりくみを強めましょう。
- 生協法改正の内容についての学習と自生協の定款の検証を進めましょう。
- 平和を守る活動と平和憲法を学ぶ活動を強めましょう。
- 消費生活条例を生かし、団体訴権の研究や消費者の権利を守る活動を強めましょう。
- 男女共同参画社会への推進にむけて、多様な参加のあり方を考えあいましょう。
- 個人情報保護法をはじめ、コンプライアンス経営を強めましょう。
- 組合員の声にもとづく事業と活動を強め、組織強化と事業・経営構造改革、財務体質の強化を進めましょう。
(3)2007年度の活動テーマ
組合員の声を聴き、それに応え、くらしに役立つ事業と組織を徹底して強め、県内生協が自立しつつ、互いに協力・協同して諸活動にとりくみ、生協の社会的役割を発揮しましょう。
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(4)2007年度の重点課題
I .県内生協間の交流・連帯を強め、学び・励ましあい・共同行動を通じて会員生協の力量強化と県内生協全体のレベルアップをめざします。
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- 地域、医療、職域、大学、学校、共済、住宅など、県内異業種生協間の交流と連帯を強める。
同業種生協間、異業種生協間、有志生協間の協力・協同や事業連帯の検討をおこなうため必要に応じて委員会・研究会を設置する。また、医療生協交流会や福祉事業交流会等の継続実施を行う。
- 会員生協での活動、とりくみを基礎に、組合員活動や国民的運動課題で時々の状況に応じた共同行動や学習にとりくむ。
(1)国、県行政での食の安全行政の充実・強化にむけたとりくみを広げる。
(2)組合員のくらしと健康を守るとりくみや「消費生活条例」の普及や団体訴権の研究にとりくむ。
(3)生協法改正内容についての学習や定款改定にむけたとりくみを強める。
(4)消費税や社会保障問題での学習や共同行動にとりくむ。
(5)福祉事業や活動での交流、政策検討をすすめる。
(6)平和と憲法9条を守るとりくみや学習を広げる。
(7)環境問題や食育でのとりくみを広げる。
特に、「生協法」問題については、改正内容や今後の政省令内容についての学習を進めつつ、必要に応じて会員生協等の定款研究会等の設置を検討する。(08年度総会や総代会での定款改定が必要となる)憲法問題では、憲法9条や平和の大切さについて、会員生協役職員に幅広い学習機会の提供や「9条の会」との連携を強めながら様々な情報提供を強めます。「食の安全」のとりくみについては、引き続き県での食品安全行政の充実・強化にむけて渉外活動を推進する。また、消費者団体訴訟制度については、中四国での状況や全国段階での状況をみながら対応について研究する。消費税の問題や消費者問題等についても、引き続き日生協や県内諸団体と連携したとりくみを強めるとともに、県内での学習やとりくみを強める。
- 「第26回生協まつり」を生協組合員の一大交流の場として成功させる。
- 第9回「四国ピースアクション」、「四国ピースアクションinえひめ」の成功にむけて、県内生協の連携と四国地区の生協との連帯を強め成功させる。
<事業計画>
◇第26回生協まつり(10月28日 於;梅津寺パーク)
◇'07くらしの講座(前期、後期)の開催 (前期/7月4,11日開催)
◇四国ピースアクションリレーinえひめ (7月8日開催)
◇憲法9条や平和についての学習会の開催
◇税と社会保障の負担のあり方に関する学習会の開催
◇ホームヘルパー2級養成講座の開催
◇ガイドヘルパー養成講座の開催
◇第5回医療生協交流会
◇定款見直し研究会
◇職域生協交流会
◇愛媛の生計費調査活動の推進
II .県内における生協の社会的地位の向上に努め、役割を強めます。
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- 住みよい愛媛づくりをめざして、県行政との協力・協同の関係づくりを一層強める。また、地方分権の流れの中で、より一層の関係強化をはかっていく。
- 県議会議員のすべての会派や政党、県内選出国会議員との話し合いを引き続き強め、生協への理解や協力関係をさらに広げる。
- JA、漁連、森連との愛媛県協同組合協議会(EJC)の活動を発展させ、さらにレベルの高い協同組合間協力・協同の実現をめざす。
- 報道各社との日常的なコミュニケーションやリリース活動を強める。
- 福祉分野での県内の社協や協同組合をはじめとする非営利法人や団体との連携やネットワークづくりや交流を進める。
<事業計画>
◇国際協同組合デー愛媛交流集会、協同組合間提携活動の推進
◇地域福祉ネットワークづくりの再検討(実行委員会)
◇日本ユニセフ協会愛媛県支部の支援
◇県議会議員との懇談会
◇県審議会等の各種委員懇談会の開催
◇松山ひまわり号(実行委員会)(10月20,21日)
III.会員生協にとって役に立ち、頼りになる県連機能の充実をはかります。
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- 県連事務局の会員生協訪問による単協状況の把握とコミュニケ―ションにつとめる。
- 会員生協や組合員の要望にそった教育研修企画、交流企画を実施する。
- 県連理事会を軸にした運営を強め、一致点での合意と情報の共有につとめる。
- 理事会を中心に各単協の経営実態の交流や情報交換、経営分析など可能な範囲での情報交流を強める。
- 県内生協の協同・連帯の基礎的組織としてのローカルセンターの役割がより一層はたせるようレベルアップをめざす。
- 愛媛県との災害協定書にもとづく、危機管理・連絡・対応体制の検討や広域連携についての検討を進める。また、災害時のボランティアのあり方についての検討を進める。
- 先進地での他県連研修を検討する。
<事業計画>
◇秋の役職員研修会
◇理事会学習会、研修会
◇愛媛県との災害協定にもとづく、災害時対応検討部会の推進と広域連携のあり方の研究
◇災害時のボランティアネットワーク会議への参画
◇他県連研修の検討
◇ホームページの充実
◇「生協連情報誌」の発行
2007年度行事計画
4月〜6月 |
第56回通常総会 |
7月〜9月 |
'07くらしの講座(前期)(7月4,6,11日開催)
憲法9条・平和学習会
四国ピースアクションinえひめ(7月8日開催)
職域生協交流会 |
10月〜12月 |
秋の役職員研修会
'07くらしの講座(後期)
松山ひまわり号(10月20,21日)
第26回生協まつり(10月28日)
国際協同組合デー愛媛交流集会
県議会議員との懇談会 |
1月〜3月 |
医療生協交流会
他県連研修
県審議会等の各種委員懇談会 |
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